取り付け時の手抜き工事は設置後に問題が出る

当然のことながら、エアコンは設置して終わりではありません。その後5~10年以上使用する方の方が多いでしょう。だからこそ、適当に取り付けてはいけない理由があります。

まず、着工前にお客様は「自分の要望」をしっかり取り付け工事業者に伝えるべきです。その上で工事のことをわかっている業者と相談することが前提です。
「ちゃんと伝えたのにトラブルになった」という方もいますが、中には、その現場で工事をする業者ではなく販売店での受付やコールセンターのお姉さんに伝えている方もいます。その場合でも現場で職人本人に確認することを忘れずに。

問題なく使用できるだけでなく、「ガス漏れで効かない」「水漏れがすごい」「クリーニングできない」など設置後に問題がでてときに迅速に対応できるような工事が必要となります。このようなことをわかっていない業者もいます。
「これはひどい」と思うような工事を紹介します。

配管からの水垂れがひどい。配管断熱がされていないエアコン工事

室内配管断熱未処理の手抜き工事

取り外し工事にお伺いした際にお客様が「配管部分に水滴がついてポタポタ水が垂れる」ということをおっしゃっていました。
案の定、その側の化粧テープを剥がすと全く断熱されていない状態。

このような施工をするのはエアコンの原理とか設置後のこととか知らないような素人しか考えられません。ネットで探した工事会社に依頼したようですが、その下請け、孫請けの仕事なのは明らかです。

ただ断熱材を巻くだけの作業です。明らかな手抜き工事です。


筋交い真ん中を切り抜いた穴開け工事

エアコン穴開け工事で気づ付けられた筋交い

エアコンを取り外すと、その配管穴は筋交いのど真ん中を貫いていました。エアコンの設置と筋交いや柱の位置は相性が非常に悪いですが、下調べをすればある程度把握できるものです。どうしても切らざるを得ない場合にはお客様の許可が必要ですが、そのお客様もはじめて知ったとのこと。

エアコンの配管穴を開ける際には柱、筋交い、電線等を避けなくてはいけません。もし、心配ならハウスメーカーほ方で穴をあけてもらうか、建築時の写真をとっておいたりすると良いでしょう。


室内機がおさまっていない

室内機下部が背板におさまっていない

エアコン室内機の下部は室内機がひかかっている背板といわれる鉄板にフックでおさまるようになっています。しかし、そうではないエアコンがありました(写真参照)。

工事をした当人は絶対にわかっているはずです。正直、なぜこのような工事ができてしまうのかわかりません。

手抜き工事というか、エアコン工事として疑うべき施工でした。


取り外し工事の手抜きは取り付け時に問題が出る

お客様も多くは「手抜き工事は取り付けの時だけ」という印象をお持ちですが、決してそんなことはありません。
さほど複雑ではない取り外し工事でも業者によって差は出ます。素人ではない限り大きな問題にはならないにしろ、手抜き、雑な工事についての知識は必要でしょう。
※ポンプダウン(冷媒ガス回収作業)については大前提の作業です。

配管パイプが養生されていない

配管パイプの養生未処理

取り外し、再度その配管を使用する予定があるなら配管の余剰は絶対です。保管期間中にホコリ等のゴミが混入し、その事実を知らないまま使用しエアコンを取り付けてしまうとエアコンが故障する可能性があります。取り付けまでわかっているプロ業者なら必ず行う作業です。

基本的に養生されていない配管は取り付け時に使用できません(責任問題)。配管交換費用がかかります。


補助ドレンが切られている

補助ドレンが切られている

新品時から付属している補助ドレンが途中で切られていました。半分は室内機側に、もう半分は取り外されたドレンホース側についていました。これを切ってしまうと取り付け時の排水方法が制限される場合もあり、エアコン自体の施工方法の自由度も低くなります。

これもおそらく取り付けのことがわかっていない素人仕事でしょう。お客様にはなかなかわかりにくいですがお気をつけください。「知人だから」「家族だから」ということでポンプダウンだけ知っている素人の方に取り外しを依頼するのはやめましょう。


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